気になる近代建築(ヴォーリズを除く)

このページでは、ヴォーリズを除く気になる近代建築を掲載します。

大阪市営地下鉄御堂筋線

大阪地下鉄心斎橋駅心斎橋駅

 地下鉄御堂筋線、梅田−心斎橋間(3.1キロ)が開通したのは、昭和8年5月20日。心斎橋からの1番列車は、5分で走る所を定員の倍以上を乗せ12分かけて走った。今では、御堂筋の下を地下鉄が走っているのを誰も疑問に思わないが、建設当時は、地下を走らせるか、地上を走らせるかで新聞上で大議論が起こった。地上を走らせるべきだという意見の代表者は、小林一三氏(阪急電鉄社長)、対して地下鉄派は、大阪市長の関一氏。小林一三氏の主張は、「大阪は、水の都、川が縦横に流れて地盤が悪い。地下の工事は、危険すぎる。期間も要するし、費用もかさむ」。当時は、世界恐慌の真っ只中、人々を説得する力があった。しかし、関市長は譲らなかった。

 開通して2年間、地下鉄は、1両で走った。車両の長さは、17メートル。対するホームの長さは、200メートル。ホームと上り下りの線路をすっぽり収めたドーム型の天井からは、シャンデリアがこうこうと輝いていた。当時、「もったいない」といわれた駅も今は、人があふれ、8両や10両編成の電車が2分おきに走っている。
(参考文献:読売新聞  「地下鉄50年」 昭和58年1月27日より連載)


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