北海道函館市
遺愛女子高等学校は、函館駅から市電に乗り、五稜郭を過ぎて少しの所にあります。正門からまっすぐ伸びた道の両側には、木々が生い茂りキャンパス内部は外界の人々を寄せ付けない雰囲気があります。 この木々に囲まれた道を奥に入っていくと正面に薄いピンク色に塗られた木造2階建の建物があります。
この学院で私たちは、ヴォーリズ建築の真髄を見る事が出来ます。
それは、正面に見える建物は、実はヴォーリズの設計ではないらしい。という事です。では、ヴォーリズの建物は、どこにあるのでしょうか?
実は、この正面にある本館から、渡り廊下でつながった、講堂と廊下が、ヴォーリズの設計なのです。
それは、まさに本館と一体になっていて、始めから設計されていたかの様にそこに存在します。
それは、決して、自己主張をせず、周囲と調和しているのです。
このようにヴォーリズの建築は、周囲との調和を第一に考え建てられたものが多くあります。
そしてこの講堂は、現在も、音楽などの授業に利用されています。
(取材:'95.夏 木野)